体で伝える愛言葉
慎二に言われるまま、中へ入ると、椅子に座り項垂れている男がいた。


「何コレ?修羅場系~?うちらお邪魔系~?」


「邪魔だったら入れなんて言うか?俺の友達の奥田廉斗。なんか女と別れたみたいで落ち込んでたから、連れてきた。」


廉斗は微動だにしない。


かなり落ち込んでるみたいだ。

「廉斗くん何があったのか話しなよ~うちらが的確にアドバイスしてあげるよ。」


廉斗くんは、顔をあげて私を見た。


綺麗な顔をしてる。


思わず見とれてしまう。


こんな綺麗な人を捨てるなんて、どんだけ高飛車なんだ。


元カノよ。


「ガキに何がわかんだよ。」


そう言って彼は、また項垂れた。


この時、私は16歳。
廉斗は、19歳。


まぁ社会人の廉斗からしてみれば、高校生なんてガキだろう。

ってかこの頃の私はホントにガキだった。


無意味に親に反抗して、夜遊びして学校だってサボりまくり。

毎日毎晩琴弥と遊び歩いていた。


そんな私たちを、慎二はいつも気にかけてくれた。


慎二は私たちにとって、お兄ちゃんみたいなもんだ。


いつも優しく見守ってくれる。

二人とも私の一番の理解者だ。
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