体で伝える愛言葉
久しぶりに会う琴弥は、ガリガリに痩せていて、目の下にクマもできていた。


「久しぶり…。」


「ごめん…ちゃんと話してやらなくて、心配かけたくなくて…。」


「私も慎二のこと、ちゃんと信じるべきだった。」


「話さなかった俺が悪いんだ。お前は何も悪くない。」


「私ね…慎二と別れてから、クスリやってたんだ。学校にも行ってないし。」


「全部聞いた。」


沈黙が流れる。


「なぁ」


「ねぇ」


二人の声が重なる。


ここでどっちが先に言えだの揉めるとこなんだろうけど、俺はそんなめんどくさいことはしない。


琴弥の言いたいことはわかってるし。


きっと俺と同じ気持ちのはずだから。


「やり直さないか?」


「いいの?こんな私で。」


「お前じゃなきゃダメなんだ。どんな琴弥でも、琴弥は琴弥だろ?」


「ありがとう。もう絶対に離れない。」


「愛してる。」


「私も愛してる。」


こうして俺たちは、また付き合うことになった。


細くなってしまったその体を抱き締めながら、俺は、この先何があっても、一生こいつを守っていこうと決めた。


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