体で伝える愛言葉
二人は、手を繋ぎ笑顔で私たちを出迎えた。


「ご心配おかけしました。」


琴弥が頭を下げる。


「悪かったな。色々」


慎二も謝ってきた。


「今度琴弥泣かせたら殺すから。」


私は慎二を一瞬にらんだ。


「大丈夫。お前と違って学習能力あっから。」


「ふざけんなよ。」


「今から久々にみんなで遊ぼうぜ。」


廉斗が間にはいる。


「遊ぼ~。慎二の家に集合~」

「また俺んちかよ。」


慎二以外の三人は実家暮らしだったため、私たちのたまり場は慎二の家しかなかった。


慎二は会社に車を置きっぱなしだったため、廉斗が慎二を会社に送り、二組に別れて、慎二の家に向かった。


私たちを待ってる間や、車の中で琴弥と慎二は、1ヶ月半の空白を埋めるように、たくさん話したらしい。


慎二の家で私たちは、ばか騒ぎしてたくさん笑ってた。


みんな朝が早かったので、そのまま慎二の家に泊まることにした。


私と廉斗は、久々に再会した二人のために帰るって言ったんだけど、『二人になる時間は、これからさきたくさんあるんだから、遠慮しなくていい。』って二人に説得されて、泊まることにした。


このときは、バカみたいに笑ってた。


三年後、不幸が私たちのもとに迫っているとも知らずに。


運命は、確実に近づいてきていた。


もし、こうなることを知っていたら、私は、このとき笑ってなんていなかっただろう。
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