体で伝える愛言葉
どれくらいそうしていただろう。


「何やってんだ!!」


その言葉と共に私たちの前に立ちはだかったのは、慎二と廉斗だった。


「女に手を挙げるとは解せねぇな。」


「人の女に手出してんじゃねぇよ。」


「先に手を出したのはその女だ。」


雪だるまの一人が私を指差す。

「あんたが殴ろうとするからじゃん。」


私も負けちゃいない。


「うっせぇ!!クソアマ。」


男が私に飛びかかろうとする。

それを廉斗が捕まえて押さえつける。


「痛い痛い。」


廉斗に腕をねじられた男が、悲鳴をあげる。
現場仕事をしている廉斗たちの力の強さは半端じゃない。


「落ち着けや。相手は女だっていってんだろ?」


「なんで喧嘩になった?」


もう一人を慎二が睨み付ける。

「えっと…。」


「ナンパされた。ウザいからシカトしてたんだけど、しつこいからキレたら逆ギレされた。」

琴弥が淡々と話す。


「ナンパねぇ…わりぃな、こいつら彼氏いるんだわ。鏡見てから出直してこい。」


男たちは、逃げていった。


「乗れよ。」


私たちは、車に乗せられた。
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