体で伝える愛言葉
半年がたち、目立たなかった私のおなかは、誰が見てもわかるようになった。


今日が最後の登校日だ。


ほかの友達は、みんなうらやましそうに私のおなかを見ている。


「ここに赤ちゃんがいるんだね。」


「すご~い。」


「花梨、学校辞めても、私たち友達だからね。」


「赤ちゃん産まれたら教えてね。」


「結婚式には呼んでよね。」


みんないろいろと言葉をかけてくれる。


「ありがとう。」


「花梨~廉斗着いたって。あんたまた電話もメールも気付いてないでしょ。」


琴弥が私を呼びにくる。


「やべっ!!また怒られる。」


私は、カバンを掴んで正門へ走った。


門へつくと、廉斗の周りにはたくさんの人だかりができていた。


「カッコいい~。」


「誰かまってるんですか?」


後から追いついてきた、私の友達も、廉斗を見つけて走り出す。


「マジでイケメンじゃん。どこでこんな男捕まえたんだよ~。」


ハハハ…。


「よくモテることで。」


廉斗は、女の子たちを避けながら、私の前へきた。


「行こうか。」


廉斗が手を差し出す。


私は廉斗の腕をつかんで歩き出した。


「はーい。外野の方はよけてください。写真撮影は、禁止ですよ~。」


琴弥が、私たちの前を歩きながら道を造ってくれた。


「何やってんだあいつ。」


「警備員ごっこ?」


「廉斗~ついでに慎二のとこまで乗せてって。」


「あぁ。乗れよ。」


琴弥も車に乗り、私たちは、学校を出た。
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