体で伝える愛言葉
事故から一週間。


廉斗は、まだ目を覚まさない。


〈このまま意識が戻らないことも…〉


担当の先生の言葉を思い出す。


もう廉斗と話すことすら叶わないのかな。

「奥さん。諦めずに毎日旦那さんに話しかけてあげてください。」


先生にそう言われて、私は毎日廉斗に話しかける。


慎二や琴弥も顔を出してくれる。


廉斗の仕事場の人たちも駆けつけてくれる。


廉斗は、こんなにもたくさんの人たちから慕われてたんだ。


廉斗、早く目を開けてよ。


みんなあなたを待ってるんだよ。


みんな奇跡を信じてるんだよ。


廉斗…私たちの声、ちゃんと聞こえてる?

廉斗のいない家は、寂しいよ。


あなたが帰ってくるってわかってるから私は、待っていられた。


でも今は、いつ帰ってくるかわからないあなたを待ち続けて…心が壊れそうです。


私、強くなりたい。


でもずっと弱虫なまま。


こんな私を叱ってください。


それができるのは、あなただけだから。
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