体で伝える愛言葉
手話
廉斗の職場では、みんなが事務所に顔を出す。


現場仕事が終わって、直帰していた人も。

「廉斗おは~。」


廉斗はみんなに答える。


「おあよ。」


みんな基本的に廉斗と話すときは、筆談を使う。


私もそうだ。


でも手間がかかるし、いざってときにかくものがないとかなり困る。


“今日飲みに行かないか?”


“やめとく。外で筆談なんて、めんどくさいし、恥ずかしいだろ?”


“個室付きの居酒屋に行けば良いじゃん。宅飲みでもいいし。”


“最近飲む気になれないんだよ。悪いなせっかく誘ってくれたのに。”


廉斗は事故に遭ってから、遊ばなくなった。


きっとみんなを疲れさせるんじゃないかって不安なんだとおもう。


慎二も、職場のみんなもそれをわかってるから辛い。


なにかいい方法ないのかな?


ない頭を捻ってみても案なんか出るはずなくて。
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