体で伝える愛言葉
そして来る日曜日。


あのカップル(祥子さんと陽一さん)が手話を教えにきてくれた。


“こんにちは”


祥子さんが手話で挨拶してくれた。


私も覚え立ての手話で返す。


“こんにちは。どうぞ”


廉斗は、少し緊張した面もちで二人を出迎えた。


この話をしたら、慎二と琴弥も遊びに来た。


“まぁ、かわいい赤ちゃん。抱いても良いですか?


祥子さんの手話の意味が分からずとまどう私にかわって、廉斗が頷いた。


祥子さんは、笑顔で凜を抱き上げる。


凜を抱っこしたかったのかな?


「廉斗、わかってて頷いたのかな?」


「えぇ~。手話に興味なかったのに?」


「いやっあいつちゃっかり練習してたんだろうよ。職場でもみんな結構上達してたし。負けず嫌いだからな。」


手話教室は、教えられると言うよりも、友達を呼んで、手話で会話をするって感じだった。


そっちの方が馴染みやすいだろうからっていう、陽一さんの提案だった。


年の近かった私達は、すぐに意気投合し、仲良くなって、よくうちに遊びに来るようになった。
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