体で伝える愛言葉
授業が終わって休憩時間。


もうすぐ試験がある。


琴弥と私は、試験に向けて休憩時間も必死に勉強していた。


「この問題わかりません。」


「ADLってなんだっけ?」


「知ったげに横文字並べてんじゃねぇよ。バーカ。」


「荒れてるねぇ。琴弥さん。」


「イライラすんなぁもう。」


「頑張ろう。それしかない。」


「絶対介護士になるぞぉ。」


「二人とも頑張ってるわね。」


「あっせんせい。」


「なにがわからないことがあったら、遠慮なく聞いてね。」


「先生ADLって何ですか?」


「残存機能…要するに、何らかの事故や病気で体が動かなくなってしまった人に残された力よ。」


「残された力…なんかカッコいい。」


「さっきまで横文字並べんなってキレてたくせに。」


「だって、残された力だよ?カッコいいじゃん。最後の力を振り絞って…みたいな」


「はいはい。」


「フフフ…それじゃぁ頑張ってね。未来の介護士さん。」


「ありがとうございました。」


先生はそういって、部屋から出ていった。

未来の介護士か…。


なんか照れちゃうな。
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