体で伝える愛言葉
後から聞いた話では、慎二は、私と廉斗に気を使って琴弥を連れ出したらしい。


それで廉斗に背中を押されて琴弥に告白したんだとか。


「マジでビックリ~。うちら晴れて彼氏持ちだね。」


「うん。しかも廉斗と慎二だし~最強彼氏だよね。」


「最凶かもしんねぇ~ぞ?」


廉斗が盛り上がってる私たちをからかう。


「最凶なのゎ廉斗でしょ~。花梨泣かせたらマジで許さないからね。」


「はいはいわかってますよ。俺が泣かす分けねぇじゃん。花梨も琴弥もキレたらこぇ~のに。」


そういって笑う廉斗。


「慎二もだよ!!」


私も参戦する。


「わかってますよ~。」


慎二は、コーヒーの入っているマグカップを高々と持ち上げる。


「よしっ飲むか。」


廉斗が四人分のコーヒーと紅茶を入れてくれる。


私たち二人は、コーヒーが飲めないので、紅茶だ。


「コーヒーを飲みながら、タバコを吸うのがうまいのに。これが分かんないなんて、ガキはかわいそうだよな~。」


なんて、よく廉斗にからかわれた。


「うっさい。私がガキなら廉斗は、おじさんじゃない。」


「あっ?おっさんじゃねぇ。」

廉斗と私は、偶然吸っているタバコが同じだった。


だから、タバコがないときは廉斗からもらう。


私たち四人は、まだ未成年でタバコが買えないので、いつも社長がくれるらしい。


給料から引かれるんだって。


廉斗は、社長に二箱くださいって頼んで、私の分も、買ってくれる。


そんなうちらが羨ましいのか、琴弥は最近慎二と同じタバコを吸う努力をしている。


何回も吸ってむせる姿は、可愛らしくて笑えてくる。
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