センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「望月君? なんでここに?」
「オレ、これから入塾試験なんだよね。……って森下さんも?」
「う、うん」
なんだかすごい偶然だ。
驚く鈴菜に、佑一は少し笑って言う。
「オレの兄貴にここの塾を勧められてね。でもまさか、二人もこの塾に通ってたなんてね」
「……」
「ま、受験が終わるまで。これからよろしくねー、お二人さん?」
佑一は明るい声で言い、2Fへと続く階段を登っていく。
直樹はその背をじっと射るように見つめた後、ひとつ息をついて鈴菜を見た。
「……どうかした? 笠原君」
「……」
直樹は少し苦笑し、鈴菜を見た。
その目にはもう剣呑な影はない。
「なんでもないよ。……さ、そろそろ行こう、鈴菜」
「うん」