センセイと一緒 ~feel.Naoki~
3.同じだね
5分後。
二人は手を繋ぎ、駅へと続く繁華街を歩いていた。
……こうして手を繋いで歩くのは、初めてだ。
なんだか緊張してしまう。
けれど……嬉しい。
手を繋いで歩いているだけなのに、胸がドキドキする。
頬を染めながら歩く鈴菜の隣で、直樹が口を開いた。
「まさかあいつが秀栄塾に入るなんてな……」
「……」
「しかもあいつは文系か……」
直樹は眉根を寄せ、呟くように言う。
いつもと違うその様子に、鈴菜は首を傾げた。
「……笠原君?」
「……」
直樹は何かを考え込んでいる様子で、すたすたと歩いていく。
鈴菜は戸惑い、直樹を見上げた。