センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「ね、笠原くんっ?」
「……」
「笠原く……きゃっ!?」
突然ぐいと手を引かれ、鈴菜は前のめりになった。
今日はTシャツにスカート、ミュールという格好のため踏ん張れない。
体勢を崩しそうになった鈴菜の背に、直樹の腕が回る。
そのまま建物の陰に引きずり込まれ、鈴菜は驚いて直樹を見上げた。
「か、笠原くん……?」
鈴菜の鈴のような大きな瞳に、直樹の瞳が映る。
驚く鈴菜の唇に、直樹の唇が触れた。
……三度目の口づけ。
目を見開いた鈴菜に、直樹は目を細めてくすりと笑い、言った。
「鈴菜。……言っただろ? 名前で呼んで、って」
「……っ」
「これから『笠原君』って呼んだら、そのたびにキスするから。学校でもどこでもね?」