センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「では、次。席替えですねー。……といってもクジがないので、委員長の笠原君、クジ作りをお願いしてもいいですか?」
「はい、わかりました」
「というわけでクジができるまで10分休憩~」
沢村先生の声とともに、クラス内がざわめきだす。
鈴菜は椅子を立ちあがり、直樹の方へと歩み寄った。
直樹一人でクジを作るのは大変だろう。
鈴菜も学級委員だし、クジ作りを手伝った方がいいかもしれない。
鈴菜が近づくと、直樹は嬉しそうに笑った。
「あ、森下さん。また学級委員だね?」
「うん。よろしくね、笠原君。……クジ、手伝おうか?」
「そうしてくれると有難いな。その椅子空いてるから、座って?」
「うん」
鈴菜は頷き、椅子に座った。
A4の紙を切り、鈴菜がペンで数字を書いていく。
直樹はそれを四つ折りにし、手近にあった箱へと入れる。
……直樹がそのうちの2つをポケットに隠し入れたことに、鈴菜は気付いていない。
クジができたところで、直樹と鈴菜は教壇の前に立った。