センセイと一緒 ~feel.Naoki~
鈴菜はその背を眺めた後、再び問題集に視線を戻した。
……そして5分後。
ガラッとドアが開き、直樹が教室へと戻ってきた。
「どう? 終わった?」
「ううん、まだ全部解けてなくて……」
鈴菜はペンを持ち直し、慌てて問題集に向き直った。
まだ半分も解けていない。
というかこのペースではいつまで経っても終わりそうにない。
「今日は全部は無理かな?」
「……そうかも……」
はぁと鈴菜は息をついた。
と、その時。
ぱたんと直樹の手が問題集を閉じた。
驚く鈴菜に、直樹は笑って言う。
「じゃあ続きは明日にして、今日は帰ろう?」
「……え、ええっ?」
「さ、行こう、鈴菜」
直樹は鈴菜の腕を掴み、椅子から立たせる。
鈴菜は目を白黒させながら、鞄を片手に直樹に続いて教室を出た。