センセイと一緒 ~feel.Naoki~




「……わ、わわっ」


勢いよく押され、鈴菜は慌てて鎖を握った。

ブランコから落ちそうになり、とっさに体勢を整える。

その弾みで、制服のスカートの裾がふわっと広がった。


「……!」


まずい、と思い慌てて片手でスカートの裾を押さえる。

ブランコが後ろに戻ったところで、直樹が背中からぎゅっと鈴菜を抱きしめた。

その腕の強さに、思わずどきっとする。


「……ごめん、鈴菜」

「……直、樹……」


まだ名前で呼ぶのは少し照れる。

だいぶ慣れては来たが。

直樹は後ろから鈴菜の耳にそっと口づけた。

……ふわりと香る爽やかな柑橘系の香り。

直樹によく似合う香り。



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