センセイと一緒 ~feel.Naoki~
四章
1.誤解と嫉妬
11月上旬。
放課後。
鈴菜は掃除の後、ゴミ袋を片手に校庭の裏の焼却場へと歩いていた。
ゴミは学級委員が週に一度、焼却場へと運ぶ。
基本的に燃えるゴミだけなので、さほど重くはないが……。
と、校庭を歩いていた、そのとき。
「森下さん」
横から声を掛けられ、鈴菜は足を止めた。
見ると、校庭の裏から尚哉が歩いてくる。
いつもと変わらない、その姿。
体育祭の時に見せた鋭い雰囲気は全く感じられない。
尚哉はいつも通りの優しい微笑みを浮かべ、鈴菜を見る。
「こんにちは、森下さん。……ゴミ出しですか?」
「あ、はい……」
と、言ったところで。
鈴菜は佑一に相談されていたことを思い出した。
尚哉は歴史研究部の顧問である。
文学などについては鈴菜より遥かに詳しい。
鈴菜は尚哉に相談してみることにした。
「あのっ、白崎先生。ちょっとお聞きしたいことが……」