センセイと一緒 ~feel.Naoki~
――――そして5分後。
鈴菜の話を聞き終えた尚哉は、ふむと腕を組んで頷いた。
「世界児童文学ですか。そうすると、かなり幅が広いですね……」
「……ですよね……」
「参考図書的なものの方がいいですかね。……わかりました、後で僕の方で少し調べてみましょう。タイトルとISBNをいくつかピックアップしておきますよ」
ISBNは日本で出版されている全ての本についているIDのようなものである。
これがわかれば、書店に行って目的の本をすぐに探すことができる。
「そうですね。一時間後に、社会科準備室に来てください」
「わかりました。よろしくお願いします!」
鈴菜はぺこりと頭を下げた。
尚哉はそんな鈴菜を、いつもの穏やかな瞳でじっと見つめていた。