センセイと一緒 ~feel.Naoki~



一時間後。

鈴菜は尚哉に礼を言い、社会科準備室を出た。

尚哉がくれたメモには、本のタイトルとISBNが5つほど並んでいる。


『どの本も、ある程度大きな書店でないと取り扱ってないかもしれませんね』


尚哉はメモを渡すとき、鈴菜にそう言った。

確かに小さな書店ではあまり置いてないかもしれない。

と、教室の方へと向かっていた時。


「よ、森下さん!」


前から歩いてくる人物の姿に、鈴菜は足を止めた。

佑一だ。

……ちょうど良いところで会ったかもしれない。

鈴菜は佑一に尚哉からもらったメモを見せた。


「今ね、白崎先生に聞いてきたの。このあたりの本が良いんじゃないかって言ってた」

「へー! ……わざわざありがとね、森下さん」

「ただね。ある程度大きな書店じゃないと置いてないみたい」

「大きな書店、か。……秀栄塾の近くにあったっけ?」

「うーん……」

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