センセイと一緒 ~feel.Naoki~



鈴菜は瞳に涙を滲ませ、肩を上下させた。

……そんな鈴菜の視線の先で。

直樹の瞳から鋭さが消え、代わりに切なさと怒りが広がっていく。


「……鈴菜……」


直樹は鈴菜をじっと見つめる。

そしてしばしの沈黙ののち、口を開いた。


「鈴菜にとって、俺は何?」

「……っ、直樹……」

「鈴菜は俺のこと、本当に好きなの?」


その言葉に、鈴菜は頭の中が真っ白になるのを感じた。

なぜ直樹がそんなことを言うのか……


……わからない。

もう、何もかもが……わからない。


鈴菜は混乱したまま、ブラウスの前をぐっと握りしめた。

直樹の横をすり抜け、生徒会室を出る。

そのまま振り返らずに、教室の方へと走って行った……。



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