センセイと一緒 ~feel.Naoki~
2.袋小路の二人
夜。
鈴菜は枕元に置いた携帯をじっと見つめていた。
もう何度も直樹からメールや電話が入っている。
けれど、携帯を見る勇気がない……。
「……っ」
なぜ、あんなことになってしまったのか。
直樹はなぜ怒ったのか。
そして……
『……鈴菜は俺のこと、本当に好きなの?』
――――直樹の言葉。
鈴菜はぐっと唇を噛みしめた。
直樹のことは好きだ。
もう、直樹しか見えないぐらい……
鈴菜の心は直樹でいっぱいになっている。
なのに、どうして……。
「……」
どうすればいいんだろう。
――――明日は土曜だ。
いつもなら、直樹と一緒に塾に行くのだが……
こんな精神状態で行っても、勉強に身が入りそうにない。
鈴菜はベッドに横になり、大きなため息をついた。