センセイと一緒 ~feel.Naoki~
13:10。
鈴菜は秀栄塾の2Fの教室の扉をそっと開けた。
既に生物の授業は始まっている。
いつもは比較的前の方の席に座っているのだが、遅れてきたので仕方がない。
足音を立てないように、ゆっくりと一番後ろの座席に座る。
……見ると。
直樹はいつもと同じ表情で、講師の話を集中して聴いている。
……その端正な横顔、明るく爽やかな瞳……
一日会わないだけで、こんなにも恋しい。
鈴菜は軋むような胸の痛みを感じながら、生物の問題集を鞄から出した。