センセイと一緒 ~feel.Naoki~
15:15。
鈴菜は佑一とともに繁華街を歩いていた。
無事に本も見つかり、佑一はほっとした表情で鈴菜を見た。
「いやー、ホント助かったよ。これなら水咲も納得するだろ、なにしろ白崎先生と森下さんのお墨付きの本だからな~」
「……あはは」
鈴菜も笑いながら佑一を見た。
佑一は本当に松井さんのことが好きなんだな、と傍から見ていてもわかる。
この間の図書館での二人の姿を思い出しても……
なんというか、とても安定している感じがする。
お互いにとても想い合っているというか、想いのバランスがとれているというか。
「……」
バランス。
今、鈴菜と直樹は少しバランスが崩れているのかもしれない。
などと思っていた鈴菜に、佑一が声をかける。