センセイと一緒 ~feel.Naoki~




「オレ、そろそろ帰るつもりだけど、森下さんは?」

「あ、私は塾に戻るから……」


と言った、その時。

塾の方から見覚えのある人物が走ってくることに気付き、二人は足を止めた。


「……あれ、笠原じゃね?」


と佑一が眉を顰める。

鈴菜も驚き、その場に立ち尽くした。

直樹は今、講義中のはずだ。

なのに、なぜ……。


直樹は二人の前で足を止め、肩を上下させて二人の顔を見比べた。

……その瞳に宿る、昏い光。

驚く鈴菜の腕を、直樹がぐっと強く掴む。


「……!?」



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