センセイと一緒 ~feel.Naoki~
3.騙してでも・・・
繁華街の一角。
薄暗い部屋の中で、鈴菜は直樹に抱きしめられていた。
……この場所がどういう場所であるのか、鈴菜にもなんとなくわかる。
建物に入るときも、部屋に入るときも……
直樹は全く躊躇することなく、鈴菜を連れて入った。
『……俺を好きなら。付いて来て?』
さっきの直樹の言葉が鈴菜の脳裏に何度もよぎる。
その言葉は鈴菜の心に楔のように打ち込まれた。
そして鈴菜はなすすべもなく、直樹に連れられるがままこの部屋に入った。
何を言えば、いいのか……
どうすればいいのか……
もう、わからない。
ここが何をする場所なのかもわかっている。
けれど怖さより、困惑の方が大きい。
――――自分たちはこれからどうなってしまうのか。