センセイと一緒 ~feel.Naoki~
部屋に入った瞬間、直樹は鈴菜を引き寄せ、抱きしめた。
……鈴菜が自分の腕の中にいることを確かめるように。
その抱擁に、鈴菜の胸はなぜか締め付けられるように痛んだ。
そして、5分ほど経った時。
鈴菜の髪に頬を埋めながら、直樹が掠れた声で言った。
「……ごめん、卑怯なこと言ったね、俺」
「……直樹……」
「俺を好きなら、なんて。……鈴菜がそう言われて、断れるはずないってわかってたのに、俺は……」
直樹は言いながら、鈴菜を抱きしめる腕に力を込める。
鈴菜は自分の中の何かが溶けるような気がした。
……直樹は真っ直ぐな人だ。
鈴菜はぶんぶんと首を振り、口を開いた。
「直樹は卑怯じゃないよ、私は直樹が好きだから……」
と言いかけた鈴菜だったが。