センセイと一緒 ~feel.Naoki~



頭の上で直樹が苦笑するのを聞き、言葉を止めた。

直樹は鈴菜の髪を撫でながら、自嘲するように言う。


「……俺は、卑怯なんだよ。君が知らないだけでね」

「……直樹?」


驚き、顔を上げた鈴菜に。

直樹はその朝焼けを映したような瞳を細め、少し笑った。

……その瞳に宿る、切なげな光。

鈴菜はその目を見、胸が軋むように痛むのを感じた。


「俺は、君を手に入れるためならいくらでも卑怯になれる。君を脅すことも、君を騙すことも、……君を手に入れるためなら、俺は躊躇しない」

「……っ……」

「俺は君が思ってるほど、優しくもなければ清廉潔白でもないよ。目的を達成するためならいくらでも打算的になるし、実際そうしてきた」


鈴菜は息を飲んで直樹の言葉を聞いていた。

信じられない……。

けれど直樹は嘘を言う人ではない。



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