センセイと一緒 ~feel.Naoki~
直樹が言っているように、例え卑怯でも、打算的でも……
――――嘘を言う人では、ない。
無言の鈴菜に、直樹はそっと手を伸ばした。
優しく、愛おしむように頬を撫でる。
「君が学級委員になったのも、俺の隣の席になったのも。……偶然だと思う?」
鈴菜は目を見開いた。
まさか……。
直樹はくすりと笑い、鈴菜の頬にそっと口づけた。
「君は本当に純粋だね。俺は君のそういうところにどうしようもなく惹かれるんだ。……それは俺にないものを、君が持ってるからかもしれないな」
「……直樹……」
「考えてもみて。2年の時に君は俺と同じ学級委員になり、隣の席になった。そして3年でも同じ学級委員で、隣の席。……いくら何でも、例え偶然でもこうはならないよ?」
直樹の言葉は鈴菜の胸に衝撃となって広がっていく。
学級委員になったのも、隣の席になったのも……
……2年の時も、3年の時も……
偶然と思っていた全ては、偶然ではなかったのか……。
驚きのあまり呆然とする鈴菜を、直樹はもう一度強く抱き寄せる。