センセイと一緒 ~feel.Naoki~
教室に戻った鈴菜は、進路調査票を前にうーんと唸った。
まさかランクを上げてもいいと言われるとは思ってもみなかった。
しかし両親の希望はあくまでK大だ。
それに、K大以外と言っても一体どこを志望すればいいのか……。
と、頭を抱え込んだ時。
「どうしたの、鈴菜?」
隣に座っていた直樹が怪訝そうな顔で鈴菜の顔を覗き込む。
鈴菜は少し笑い、言った。
「……さっきの面談でね。志望大学を変えたらどうかと言われちゃって」
「……え?」
直樹は驚いたように目を見開いた。
鈴菜ははぁと息をつき、進路調査票に視線を戻す。
「K大よりひとつ上の大学でも大丈夫だから、もう一度考えてみたら? って。……でもこればかりはねー……」
と呟くように言った鈴菜の横で。
直樹はすっと真剣な表情になり、口を開いた。