センセイと一緒 ~feel.Naoki~
――――ということは。
ぴしっと体を固まらせた鈴菜に、直樹はにっこり笑った。
……その爽やかな微笑み。
しかし明らかに何かを意図しているその微笑みに、鈴菜は思わず一歩後ずさった。
そんな鈴菜に、直樹はいつもの爽やかなテノールの声で言う。
「悪いけど、明日の朝まで君を帰すつもりはないよ?」
「……っ!?」
「家に連絡入れるなら、早めの方がいいんじゃないかな?」
あっさりと直樹は言う。
鈴菜は目を見開いて直樹を見た。
『俺は君が思ってるほど、優しくもなければ清廉潔白でもないよ。目的を達成するためならいくらでも打算的になるし、実際そうしてきた』
あの夜の直樹の言葉。
今、なんとなくその言葉の意味がわかった気がする。
鈴菜は呆然と直樹を見ながら、ポケットから携帯を取り出した……。