センセイと一緒 ~feel.Naoki~
2.桜の記憶
一時間後。
鈴菜はリビングで大学の資料に目を走らせていた。
M大は東京にあり、C大は隣の県にある。
ランクはどちらも同じくらいで、鈴菜の今の成績ならB判定といったところだろうか。
「ふむふむ……」
鈴菜は資料を見ながら必要な情報をノートに書き写していく。
直樹は鈴菜の前にトンとお茶の入ったマグカップを置いた。
「……ありがとう」
「ほうじ茶がなかったからお茶で。……今度、用意しておくよ」
「え、いいよ、おかまいなく」
鈴菜はペンを置き、マグカップに手を伸ばした。
一口飲み、目を細める。
……とても美味しいお茶だ。