センセイと一緒 ~feel.Naoki~
鈴菜はお茶を飲みながら、リビングの中をぐるっと見回した。
白い壁に沿って木製の家具が配置され、所々にグリーンが置かれている。
ナチュラル感もあるがどことなく洗練された雰囲気だ。
そしてリビングに限らず、鈴菜の家に比べて全体的に新しい。
鈴菜はふと疑問に思ったことを直樹に聞いてみた。
「そういえば、直樹はずっと桜羽市で育ったの?」
鈴菜の質問に、直樹は首を傾げた。
鈴菜は慌てて言った。
「お家、けっこう新しいなって思って」
「あぁ、俺と沙月が小さい時、親はアメリカで仕事しててね」
「……ってことは、帰国子女なの?」
「そうなるね。で、小学校2年の時に日本に戻ることになって、ここに家を買ったんだ」
直樹の言葉に、鈴菜はへぇと眉を上げた。
直樹が英語が得意な理由が分かった気がする。
……と、そこで。
鈴菜は心の中で何かが引っかかるのを感じた。