センセイと一緒 ~feel.Naoki~




と、言いかけた直樹だったが。

途中で慌てたように言葉を止めた。

口元を押さえ、目を伏せて鈴菜から視線をそらす。

その目元がかすかに赤く染まっている。


「……?」


鈴菜は訝しむように直樹を見た。

……桜の下……。

……桜……


――――記憶の奥で蘇る、桜の記憶。

木漏れ日が差し込む、中庭の芝生の上。

満開の桜の下。

さざっという風の音とともに、桜の花びらが降り注ぐ。

その下で……。


「……」


< 185 / 211 >

この作品をシェア

pagetop