センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「……俺はずっと考えてた。君とこうなる前からね」
「……直樹……」
「そしてこうなった今、もう離れることは絶対に考えられない。だから君がK大を選ぶなら……」
と言いかけた直樹に。
鈴菜は慌てて首を振り、言った。
「ダメだよ、そんなの! 直樹はずっとN大に行くために、努力してきたんでしょ?」
「……鈴菜……」
「生徒会長やってたのも、委員長やってたのも、……そのためなんじゃないの?」
鈴菜の言葉に、直樹は苦笑した。
どうやら当たりだったらしい。
となればなおさら、直樹に進路を変えさせるわけにはいかない。
「……ね、直樹。直樹はどうしてN大を志望してるの?」
「N大の教員過程は、他の大学の教員過程とは違って海外の教育制度の研修などに力を入れてるんだ。PBISとかね」
「……」
「俺は特にそういう部分を勉強したいと思ってる。アメリカにいたせいかもしれないけど、国内だけではなく、海外のいろいろな教育制度を学んでいきたいんだ」