センセイと一緒 ~feel.Naoki~
翌日。
鈴菜は進路指導室で、沢村先生と面談していた。
「N大の人文、ねぇ……」
沢村先生は鈴菜の成績表を見ながら、うーんと腕を組んだ。
「今の状態だとCに近いB判定って感じかしらね……」
「……」
「これからの頑張り次第で、なんとかいけるかもしれないわ。でも森下さん、何で今になって? 笠原君に何か言われたの?」
沢村先生の言葉に、鈴菜はははと乾いた笑いを返した。
「それもありますが、半世紀前の怨念が……」
「……え?」
「い、いえ、何でもないです」
鈴菜は慌てて言った。
あれから両親はすっかりその気になってしまい、『討ち死にしてもいいからとにかく受けろ!』と息巻いている。
討ち死にしてはまずいのだが……。
鈴菜はぺこりと一礼し、進路指導室を出た。