センセイと一緒 ～feel.Naoki～

―――― 一時間後。

鈴菜は半泣きになりながら、カリカリとペンを走らせていた。


「そこは when じゃなくて where。はい、もう一回」

「……ううっ……」

「それだとサルじゃなくてバナナが主語になるよ。バナナがサルを食べたら大惨事だよ」

「……あうっ……」

「いや、そこ、違うから。that にすると全員死亡って意味になるよ?」

「……はうっ……」


相変わらず直樹の指導は容赦ない。

わかりやすいといえばわかりやすいのだが……

なんというか、これまでより熱の入り方が違う。


「その練習問題までやったら、こっちの応用問題をやろうか?」

「……ううっ……」


今日もエンドレスになりそうな予感がする。

鈴菜ははーっと息をつき、問題集に向き直った……。