センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「じゃあ特進に進めばいいんじゃない? 特進なら嫌でも勉強するわよ」
「……へっ?」
鈴菜は驚き、背を仰け反らせた。
……特進。
まるで考えていなかったが、両親は鈴菜の前でなるほどといった様子で頷いている。
「なるほど。それしかないな。特進で勉強してそれでもダメなら、わしも諦めがつく」
「……で、でも、特進はある程度成績が良くないと入れないよ?」
「一応希望を出してみればいいだろう。それでダメなら仕方ない」
父はふむふむと頷きながら言う。
なんだかもう断れる雰囲気ではない。
まあとりあえず出してみて、ダメなら国立コースにすればいいだろう。
ちなみに特進コースは文系理系混合の、ハイレベル大学を狙うコースである。
一学年で1クラスしかなく、定員は35名のため競争率も高い。
……通る気はしないがダメモトだ。
鈴菜は進路希望調査票の『特進コース』に丸を付けた。