センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「寒いの? 森下さん」
「う、うん……ちょっとね……」
鈴菜は肩を震わせながら言った。
直樹はそんな鈴菜をしばし見つめた後、立ち上がった。
「生徒会室に何か羽織れるものがあったと思うから、持ってくるよ」
「えっ?」
直樹はすたすたと教室のドアの方へと歩いていく。
鈴菜は呆然とその背を眺めていた。
そして数分後、直樹が青いカーディガンを片手に戻ってきた。
「これ、俺のだけど。よかったら使って?」
言い、にっこり笑って鈴菜にカーディガンを差し出す。
鈴菜はその笑顔にドキッとしながら、カーディガンに手を伸ばした。