センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「……ありがとう、笠原君」
「どういたしまして」
鈴菜はさっそくカーディガンを羽織った。
柔らかい柑橘系の香りが鈴菜の体を包む。
直樹は目を細め、優しい視線で鈴菜を見つめている。
鈴菜はドギマギしながらカーディガンに袖を通した。
カーディガンは少し大きいが、あるとないでは雲泥の差だ。
直樹の優しさがこのカーディガンから伝わってくる気がする。
彼女がいるってわかっていても……遠い世界の人でも……
こんなに優しくされると、やはり惹かれてしまう。
鈴菜は頬が赤くなるのを感じながら、カーディガンのボタンを締めた。