センセイと一緒 ~feel.Naoki~
補講の後。
鈴菜は自分の机で、ペンを片手にうーんと頭を捻っていた。
数学の補講で出てきた問題がどうしても解けない。
この部分がわからないと、明日の補講を受けても内容が理解できないだろう。
しかし、いくら教科書を読んでもどう考えればいいのか皆目見当がつかない。
と、ため息をついたとき。
「……どうしたの、森下さん?」
隣に座っていた直樹が横から教科書を覗き込んできた。
突然の急接近に、鈴菜はドキッとし背筋を伸ばした。
「……循環小数?」
「うん、考え方が全くわからなくて……」
困ったように言った鈴菜に、直樹はしばし考えた後、自分のペンを取った。
鈴菜のノートを少し引き寄せ、さらさらと書いていく。
「例えば、この場合だけど。循環しない部分と、循環する部分を区別するためのドットが……」