センセイと一緒 ~feel.Naoki~
とパニック直前の鈴菜の前で、直樹は意を決したように鈴菜を見た。
真剣な瞳がじっと鈴菜を見据える。
鈴菜は困惑したまま直樹を見上げた。
「俺、しっかりとは見てないから。君は湯気の中にいたし、薄暗かったし……」
「……」
何も言えない。
頬を真っ赤に染めて見上げる鈴菜に、直樹は必死の形相で言う。
「本当に見てないから! 君が信じられないと言うなら、俺の目を潰してもらって構わない」
「え、ええっ……」
鈴菜はわたわたしながら直樹を見た。
潰すって……そんな……。
挙動不審に陥った鈴菜の肩を、直樹はがしっと掴んだ。
いつも爽やかな瞳が、今は真剣な光を湛えて鈴菜を見据えている。
鈴菜は息を飲んだ。