センセイと一緒 ~feel.Naoki~




「……聞いて、森下さん」

「笠原君……」


呆然と見上げた鈴菜に。

直樹はその形の良い唇を開き、真剣な声で言った。


「俺は……、俺は、君ともう一度仲良くなれて嬉しいと思ってる。だから……」

「……」

「だから、君とこんなことでぎくしゃくしたくない」


鈴菜は目を見開いて直樹を見た。

……ぎくしゃくしたくない。

それは鈴菜も同じだ。

だから直樹はわざわざ、あえてここで待っていたのだろうか。

きっと鈴菜だったら気まずいと思い部屋に戻ってしまっただろう。

けれど直樹はここで待っていた。


――――笠原君は勇気のある、真っ直ぐな人なんだ。


鈴菜はドキドキしながら口を開いた。


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