センセイと一緒 ~feel.Naoki~
部屋に戻った鈴菜は、バタッとベッドに倒れ込んだ。
まさかこんなことになるとは思ってもみなかった。
今になって心臓が痛いぐらいにドキドキと動き出す。
「笠原君……」
あの、照れたような困ったような表情も……
ぎくしゃくしたくない、と言う言葉も……
これまで知らなかった直樹の一面に、鈴菜はこれまでになく直樹に惹かれるのを感じた。
――――私はやっぱり、笠原君が好きなんだ。
あの終業式の時は遠い所にいると思っていた。
けれど今、直樹は鈴菜のすぐ傍にいる。
手の届かない人ではなく、手を伸ばせば触れられる距離にいる。
そう思っているのは鈴菜だけかもしれないが……。
それでも……直樹が近くにいることが嬉しい。