センセイと一緒 ~feel.Naoki~
直樹には彼女がいる。
……それはわかっている。
直樹にしてみれば、鈴菜は仲の良いクラスメイトの一人だろう。
直樹は親切だ。
鈴菜以外のクラスメイトにも、同じように親切にする。
自分だけが特別ではないとわかってはいる。
けれど……
『俺は、君ともう一度仲良くなれて嬉しいと思ってる』
――――直樹の言葉。
例え友達としてでも……
とても、嬉しい。
けれど。
想いが募れば募るほど、心の底から願いが溢れてくる。
……彼女より自分を見て欲しい。
自分だけにあの笑顔を向けて欲しい。
――――我儘な願い。
そうわかっていても……。
心の中に彼女に対する嫉妬が広がっていく。
こんな醜い感情が自分の中にあったなんて……。
鈴菜は布団に顔を押し付け、ぐっと目を瞑った。