センセイと一緒 ~feel.Naoki~
昇降口を出、校門の方へと向かう。
……確か鈴菜はバス通学だ。
と思い、バス停の方に向かおうとした、その時。
「あ、お兄ちゃん!」
聞き覚えのある声に、直樹は足を止めた。
見ると、妹の沙月が髪を揺らしながら直樹の方へと歩み寄ってくる。
直樹は驚き、足を止めた。
「どうした、沙月?」
「芹沢先輩が一日限りで弓道部に復活するって聞いたから、見に来たの」
「……」
はあと直樹は息をついた。
あれから沙月は和泉のファンになってしまったらしく、たまにこうして部活の見学に来る。
一体どうやってその情報を入手しているのかは知らないが……。