センセイと一緒 ~feel.Naoki~
「……森下さん!」
直樹が校門の方から走って来るのが見えた。
その姿を見、鈴菜は目を見開いた。
彼女の姿は見えない。
驚き首を傾げた鈴菜の前で、直樹は足を止めた。
いつもと違う、どこか鋭い目で鈴菜をじっと見下ろす。
「待っててって、言ったと思ったけど。どうして先に出たの?」
「笠原君……?」
きょとんと鈴菜は直樹を見上げた。
直樹はその長い睫毛を伏せ、じっと鈴菜を見つめている。
……真剣な瞳。
鈴菜は吸い込まれるようにその瞳を見つめていた。
「誰かと会う約束でもあるの?」
「……え?」