センセイと一緒 ~feel.Naoki~
予想外の言葉に、鈴菜は思わず声を漏らした。
――――次の瞬間。
ぐいと腕を掴まれ、鈴菜は直樹の方へと引き寄せられた。
はっと振り仰いだ鈴菜の唇に、直樹の唇が触れる。
「……っ!?」
――――あのときと同じ感触。
柔らかくて、熱い唇。
鈴菜は驚きのあまり目を見開いた。
なぜ、笠原君が……。
直樹には彼女がいるはずだ。
さっき校門の前にいた彼女……。
鈴菜は混乱したまま直樹の口づけを受けていた。
直樹の柑橘系のコロンの香りが鈴菜の全身を包み込む。
やがて唇が外され、鈴菜の耳元にあの時と同じ囁きが降ってきた。
「……鈴菜」
その囁きに、鈴菜は体を固まらせた。
やはりあの修学旅行の時のキスは幻ではなかったのだ。
けれど、どうして……。