センセイと一緒 ~feel.Naoki~
5分後。
鈴菜の話を聞き終わった和泉は、何とも言えない表情で鈴菜を見た。
「あのさ、鈴……」
「……?」
「あたしさ。少しあいつを見直したよ。あいつもそれなりにアピールしてたんだね……」
「……え?」
鈴菜はきょとんと和泉を見た。
……よくわからない。
和泉は盛大なため息をついた後、じろっと鈴菜を見た。
「鈴。……もうこうなったら、全身でぶつかるしかないよ」
「……え、ええっ!?」
「迷うとか恐がるとか、もうそういう段階じゃない。覚悟を決めなっ、鈴!」
「……い、和泉?」
「あたしのアドバイスは以上! ってかいつまでそんなことやってんの、あんたら……」
和泉はどこか呆れたような顔で鈴菜を見る。
鈴菜は困惑し俯いた。
全身でぶつかる、といっても……。
どうすればいいのかわからない。
鈴菜はよくわからないまま、お弁当に箸を伸ばした。