センセイと一緒 ~feel.Naoki~




「……鈴菜……」


口に出しただけで甘く切ない想いが胸に広がる。

直樹は手をぐっと握りしめた。


けじめをつけた上で、鈴菜に自分の想いを伝えたい。

そう思っていた。

けれどクラスが離れ、なかなか鈴菜と会うチャンスもなく……。

焦りばかりが募っていた。

それが、今日……。

まさか鈴菜が特進を選ぶとは思ってもみなかった。


これはもう運命なのかもしれない。

となれば。


――――もう絶対に逃がさない。

何があっても鈴菜を手に入れる。

どんなことをしてでも。


明日から新しいクラス編成となる。

明日のLHRでは委員決めと席替えが行われる予定だ。

……前に使った手だが、もう一度使ってみてもいいかもしれない。

直樹は決心し、次の授業の準備を始めた。



<***>





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