センセイと一緒 ~feel.Naoki~
3.打算
夜。
鈴菜はベッドで横になりながら、直樹のことを考えていた。
何がどうなっているのかわからない。
直樹はなぜキスしたのか。
一度目の修学旅行のときは、幻かなとか、ただの気まぐれかなと思わなくもなかった。
けれど、今日のは……
明らかに幻ではないし、直樹のあの目を見る限り、気まぐれでもない。
「……笠原君……」
好きだからこそ……
キスされると辛くなる。
もちろん嬉しい気持ちもある。が……
あのキスを彼女とも交わしていると思うと耐えられない。
彼女と、別れて欲しい――――
そんなことまで考えてしまう。
……こんなことを考える自分は、何て汚いのだろう。